送迎加算とは?要件・単位数とⅠ・Ⅱの違いを早見表で整理【令和6年度改定対応】

送迎加算とは 対象サービスと算定要件

送迎加算とは、障害福祉サービスの通所系の事業所が、利用者を居宅などと事業所の間で送迎したときに、片道ごとに上乗せされる報酬です。生活介護や就労継続支援A型・B型では、送迎加算(Ⅰ)が片道21単位、送迎加算(Ⅱ)が片道10単位。児童発達支援と放課後等デイサービスは片道54単位が基本で、短期入所は片道186単位です。

よく検索される「送迎加算1と2の違い」は、次の2つの要件を両方満たすか、どちらか一方かで決まります。

  • 1回の送迎につき、平均10人以上が利用している(利用定員20人未満の事業所は、平均して定員の50%以上)
  • 週3回以上の送迎を実施している

両方を満たせば送迎加算(Ⅰ)、どちらか一方なら送迎加算(Ⅱ)です。

この記事の単位数と要件は、令和6年度(2024年度)障害福祉サービス等報酬改定後の内容です。令和8年度(2026年度)の報酬改定で示された改定事項(処遇改善加算の拡充、就労継続支援B型の基本報酬区分の見直しなど)に、送迎加算の見直しは入っていません(厚生労働省・こども家庭庁「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」)。以下、サービス種別ごとの送迎加算の要件、介護保険のデイサービス・ショートステイとの違い、送迎を外部に委託した場合の扱いまで、順に整理します。

目次

送迎加算とは|障害福祉サービスの送迎を評価する加算

送迎加算は、利用者の居宅などと事業所の間の送迎を行った事業所に、片道につき所定の単位数を加算する仕組みです。往復で送迎すれば、1日に2回分を算定します。算定するには、要件を満たす送迎を実施していることを、都道府県などの指定権者へ届け出ておく必要があります。

対象になる送迎先は、利用者の自宅だけではありません。事業所の最寄り駅や集合場所との間の送迎も対象です。ただし、事前に利用者と合意したうえで、特定の場所を決めておくことが条件になります(厚生労働省 留意事項通知)。

送迎加算は、障害福祉サービス等報酬の加算です。介護保険のデイサービス(通所介護)に送迎加算はなく、送迎を行わない場合に報酬が減る「送迎減算」があります。2つは別の制度なので、後半で分けて説明します。

送迎加算の単位数一覧|サービス種別ごとの早見表

令和6年度報酬改定後の単位数を、サービス種別ごとにまとめました。単位数はすべて片道1回あたりです。

サービス種別送迎加算の単位数(片道)主な要件
生活介護(Ⅰ)21単位/(Ⅱ)10単位。重度の方が多い事業所は+28単位平均10人以上の利用、週3回以上の送迎
自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型(Ⅰ)21単位/(Ⅱ)10単位生活介護と同じ
短期入所186単位居宅などと事業所の間の送迎
児童発達支援、放課後等デイサービス障害児54単位。重症心身障害児は+40単位、医療的ケア児は+40単位(医療的ケアスコア16点以上は+80単位)車両による送迎。上乗せ分は職員の同乗が必要
児童発達支援センター、主として重症心身障害児を支援する事業所重症心身障害児40単位、医療的ケア児40単位(医療的ケアスコア16点以上は80単位)職員の同乗が必要

どのサービスでも、同一敷地内にある他の事業所などとの間の送迎は、所定単位数の70%で算定します。

出典:厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」、こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」

送迎加算1と2の違い|送迎加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の要件

生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型・B型の送迎加算は、(Ⅰ)と(Ⅱ)の2区分です。要件は次の2つで、月ごとに判定します。

  • 要件ア(利用人数):1回の送迎につき、平均10人以上が利用している。利用定員20人未満の事業所は、平均して定員の50%以上
  • 要件イ(送迎の頻度):週3回以上の送迎を実施している
区分満たす要件単位数(片道)
送迎加算(Ⅰ)アとイの両方21単位
送迎加算(Ⅱ)アまたはイのどちらか一方10単位

たとえば利用定員10人の事業所なら、1回の送迎で平均5人以上が乗っていれば、要件アを満たします。週3回以上の送迎も行っていれば送迎加算(Ⅰ)、送迎が週2回までなら送迎加算(Ⅱ)です。

多機能型事業所や、同一敷地内に複数の事業所がある場合は、原則として1つの事業所として扱います。事業所ごとに送迎している場合など、都道府県知事が特に必要と認めたときは別です(厚生労働省 留意事項通知)。

送迎加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の収入差の試算

区分が1つ変わると月の収入にどれだけ差が出るかを、試算しました。前提を変えれば金額も変わるため、目安としてご覧ください。

項目送迎加算(Ⅰ)送迎加算(Ⅱ)
試算の前提利用者20人が月22日、往復(1日2回)で送迎を利用。1単位=10円と置いて計算同じ
片道の単位数21単位10単位
月の単位数21単位×2回×22日×20人=18,480単位10単位×2回×22日×20人=8,800単位
月の金額(試算)184,800円88,000円

この前提では、月に96,800円の差になります。1単位の単価は地域区分ごとの上乗せ割合で変わり、同一敷地内の送迎は70%で計算します。実際の金額は、事業所の地域区分と利用実績で確かめてください。

生活介護の送迎加算|重度の方が多い事業所は28単位を上乗せ

生活介護の送迎加算は、(Ⅰ)21単位・(Ⅱ)10単位に加えて、重度の方が多い事業所への上乗せがあります。障害支援区分5・区分6の方、またはこれに準ずる方が利用者の60%以上を占める場合、片道28単位が加算されます(厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料)。

「これに準ずる方」は、区分4以下で行動関連項目の合計点数が10点以上の方、または喀痰吸引等を必要とする方を指します。生活介護の送迎加算では、次の点もあわせて確かめておきます。

  • 同一敷地内の送迎で70%を掛けるのは、28単位を上乗せする前の単位数
  • グループホーム(共同生活援助)と生活介護事業所の間の送迎も対象
  • 令和6年度改定で、障害者支援施設に入所している方も対象に加わった。入所している施設と同一敷地内・隣接ではない生活介護事業所などへ送迎する場合に限る

出典:厚生労働省 留意事項通知、厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」

就労継続支援B型・A型、就労移行支援、自立訓練の送迎加算

就労継続支援B型、就労継続支援A型、就労移行支援、自立訓練(機能訓練・生活訓練)の送迎加算は、生活介護と同じ(Ⅰ)21単位・(Ⅱ)10単位です。人数と回数の要件、最寄り駅や集合場所の扱い、外部委託の扱い、同一敷地内の70%も、生活介護の規定がそのまま準用されます。生活介護と違うのは、重度の方が多い事業所への28単位の上乗せがない点です。

就労継続支援A型には、留意事項通知に別の定めがあります。利用者と雇用契約を結ぶサービスであることなどを踏まえて、利用者の自立能力の獲得を妨げないよう配慮すること。送迎が必要かどうかは、公共交通機関がないといった地域の実情や、重度障害などの障害特性を踏まえて、個別に判断すること。この2点です。A型で送迎加算を算定するときは、送迎が必要な理由を利用者ごとに説明できるようにしておきます。

自事業所の送迎がどの区分に当たるか、委託した場合に運行をどう組めるかを整理したい方は、お問い合わせフォームからご相談ください。現状の送迎ルートをお聞きするところから承ります。

児童発達支援・放課後等デイサービスの送迎加算|令和6年度改定の変更点

児童発達支援と放課後等デイサービスの送迎加算は、車両で居宅や学校などと事業所の間を送迎した場合に、片道54単位を算定します。成人のサービスにある(Ⅰ)(Ⅱ)の区分はありません。令和6年度改定では、重症心身障害児と医療的ケア児の送迎の評価が見直されました。

対象改定前改定後(令和6年度から)
障害児54単位54単位
重症心身障害児上乗せの設定なし54単位+40単位
医療的ケア児(医療的ケアスコア16点以上)54単位+37単位54単位+80単位
医療的ケア児(その他)54単位+37単位54単位+40単位

この表は、児童発達支援センターと、主として重症心身障害児を支援する事業所を除いた事業所の単位数です。改定前の+37単位は、医療的ケア区分による基本報酬を算定する事業所に限られていましたが、改定後はそれ以外の事業所でも算定できます。児童発達支援センターと、主として重症心身障害児を支援する事業所は、重症心身障害児が37単位から40単位になり、医療的ケア児の区分(40単位、医療的ケアスコア16点以上は80単位)が加わりました。

児童発達支援・放課後等デイサービスの送迎加算の要件のうち、上乗せ分にかかわるものは次のとおりです。

  • 重症心身障害児の+40単位:運転手のほかに、直接支援に従事する職員が1人以上同乗する
  • 医療的ケア児の+40単位:運転手のほかに、看護職員など(喀痰吸引等だけが必要な児童の場合は、認定特定行為業務従事者を含む)が1人以上同乗する
  • 医療的ケアスコア16点以上の+80単位:医療の必要度を踏まえて、安全に送迎できる体制を確保する
  • 手続き:重症心身障害児・医療的ケア児の上乗せは、市町村による児童の判定と、都道府県への届出が必要

同一敷地内または隣接する敷地内での送迎は、上乗せ分を含めた全体の70%です。居宅のほか、最寄り駅や集合場所までの送迎も対象ですが、事前に保護者の同意を得て、場所を決めておく必要があります。

放課後等デイサービスでは、通所する道路の安全性、児童の年齢や能力、公共交通機関の有無といった地域の実情を考慮して、送迎するかどうかを判断します。自分で通える児童の自立を妨げないよう配慮することも求められています。令和6年度改定では、職員が付き添って自力での通所を計画的に支援した場合の「通所自立支援加算」(60単位/回、算定開始から3か月まで)も新設されました。

出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」、こども家庭庁 留意事項通知(児童福祉法に基づく指定通所支援)

ショートステイ・デイサービスの送迎加算|障害福祉サービスと介護保険の違い

「ショートステイの送迎加算」「デイサービスの送迎加算」を調べている方は、障害福祉サービスと介護保険のどちらの話かを先に確かめてください。送迎の扱いが違います。

制度サービス送迎の扱い
障害福祉サービス短期入所送迎加算として片道186単位を加算
介護保険短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)利用者に対して送迎を行う場合に、片道184単位を加算
介護保険通所介護(デイサービス)・通所リハビリテーション送迎加算はない。事業所が送迎を行わない場合に、片道47単位を減算(送迎減算)
介護保険特別養護老人ホーム透析が必要な入所者の通院送迎を月12回以上行った場合に、特別通院送迎加算として月594単位を加算

障害福祉サービスの短期入所は、送迎を外部の事業者へ委託した場合も対象で、同一敷地内の他の事業所などとの間の送迎は70%で算定します。

介護保険の通所系サービスでは、令和6年度介護報酬改定で送迎の取扱いが示されました。送迎先は利用者の居宅が原則ですが、運営上支障がなく、近隣の親戚の家のように利用者の居住実態がある場所への送迎も認められます。雇用契約や委託契約(共同での委託を含む)を結び、責任の所在を明確にしたうえで、他の介護事業所や障害福祉サービス事業所の利用者と同乗することもできます(厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」、単位数は厚生労働省「介護報酬の算定構造」)。

送迎減算の内容は送迎減算とは?適用される介護サービスと送迎負担を軽減する方法で、透析患者の通院送迎と特別通院送迎加算は透析患者の送迎サービス完全ガイドでまとめています。

送迎加算を算定するときの実務ポイント

  1. 届出の時期:加算の届出が毎月15日以前なら翌月から、16日以降なら翌々月から算定を開始します(厚生労働省 留意事項通知)。
  2. 送迎先の決め方:最寄り駅や集合場所を使う場合は、利用者(児童の場合は保護者)と事前に合意し、場所を特定しておきます。
  3. 対象にならないケース:利用者へ公共交通機関の運賃などを直接給付する場合は、送迎加算の対象になりません。
  4. 同一敷地内の送迎:同一敷地内の他の事業所などとの間の送迎は、所定単位数の70%です。
  5. 人数と回数の記録:(Ⅰ)と(Ⅱ)は月ごとに判定します。便ごとの乗車人数と運行日を記録しておくと、送迎加算の要件を満たしているかをすぐ確かめられます。

届出の様式や添付書類は、指定権者ごとに決まっています。香川県が指定する事業所は、香川県「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定関係通知」のページで加算の届出様式を確認できます。

送迎を外部委託した場合の送迎加算|他事業所の利用者との同乗も対象

送迎加算は、事業所の職員が運転する場合だけでなく、送迎を外部の事業者へ委託した場合も対象になります。留意事項通知に明記されています。

同じ通知では、他の障害福祉サービス事業所や介護事業所と、送迎についての雇用契約や委託契約(共同での委託を含む)を結び、他の事業所の利用者を同乗させた場合も対象になるとされています。その場合は、費用負担と、事故などが起きたときの事業所間の責任の所在を、事前に明確にしておく必要があります(厚生労働省 留意事項通知)。

近隣の事業所と共同で、1つの委託先に送迎を任せる形も取れるということです。運転手の確保が難しい事業所や、支援員が運転を兼ねている事業所は、委託も選択肢に入ります。

自事業所での運行と外部委託の比較

比べる点自事業所で運行外部に委託
運転手の確保採用と、欠勤時の代わりの手配を自前で行う委託先が手配する
車両の管理点検整備・保険・車検の期日を自前で管理する契約の形によって、委託先が担う範囲を決める
職員の負担支援員が運転を兼ねると、支援に充てる時間が減る支援員が支援に専念しやすい
事故・トラブル時事業所が対応する責任の範囲を契約で決めておく
送迎加算要件を満たせば算定できる委託した送迎も対象になる

香川送迎コンシェルジュの運行実例

西讃観光が運営する香川送迎コンシェルジュは、高松から西讃エリアまで、企業・学校・医療機関の送迎を、運行管理請負、ドライバー派遣、貸切送迎の形でお引き受けしています。運行の一部をご紹介します。

運行の内容概要
透析クリニックの患者送迎1便あたり5〜6名の乗合。後部リフト付きのハイエース・キャラバンを使い、週6日運行
県内私立高校の部活動送迎マイクロバス3台の運行管理を受託。契約から3年ほど(事例の掲載時点)、事故なく運行
車両トラブル時の対応遠方で車両が動かなくなった際に、自社の貸切バスを手配して運行を継続
対応エリア高松、坂出、宇多津、丸亀、多度津、詫間、観音寺など香川県内

運行管理請負の仕組みはいま注目の運行管理請負とは?法令順守しながら送迎をまるっと外部委託する方法、委託で得られる効果は送迎業務のアウトソーシングによる業務効率化とリスク分散のメリットもあわせてご覧ください。

送迎加算のよくある質問

Q. 送迎加算とは何ですか。
障害福祉サービスの事業所が、利用者を居宅などと事業所の間で送迎した場合に、片道ごとに算定できる加算です。生活介護や就労継続支援は(Ⅰ)21単位・(Ⅱ)10単位、児童発達支援と放課後等デイサービスは54単位、短期入所は186単位です。

Q. 送迎加算1と2の違いは何ですか。
「1回の送迎につき平均10人以上の利用(定員20人未満は定員の50%以上)」と「週3回以上の送迎」の両方を満たすと送迎加算(Ⅰ)、どちらか一方だけなら送迎加算(Ⅱ)です。

Q. 往復で送迎した場合はどう算定しますか。
片道ごとの加算なので、行きと帰りの両方を送迎した日は2回分を算定します。

Q. 最寄り駅や集合場所までの送迎でも、送迎加算の要件を満たしますか。
対象になります。事前に利用者(児童の場合は保護者)と合意し、場所を特定しておくことが条件です。

Q. 施設に入所している方の送迎は対象になりますか。
令和6年度改定から、入所している障害者支援施設と同一敷地内・隣接ではない生活介護事業所などへ送迎する場合は、対象になりました。

Q. デイサービス(通所介護)に送迎加算はありますか。
介護保険の通所介護に送迎加算はありません。事業所が送迎を行わない場合に、片道47単位が減算されます。

Q. 送迎を委託していても算定できますか。
外部の事業者へ委託した送迎も対象です。利用者へ公共交通機関の運賃などを直接給付する形は、対象になりません。

まとめ|送迎加算の要件と単位数

  • 送迎加算は障害福祉サービス等報酬の加算で、片道ごとに算定する
  • 生活介護、就労継続支援A型・B型などは(Ⅰ)21単位・(Ⅱ)10単位。違いは「平均10人以上」と「週3回以上」を両方満たすかどうか
  • 生活介護の送迎加算は、重度の方が60%以上を占める事業所に28単位を上乗せ
  • 児童発達支援・放課後等デイサービスは54単位。重症心身障害児・医療的ケア児の上乗せは、令和6年度改定で見直された
  • 短期入所は186単位。介護保険のデイサービスは、送迎加算ではなく送迎減算
  • 外部へ委託した送迎や、他事業所の利用者との同乗も対象になる

次の報酬改定は令和9年度に予定されており、単位数や要件が変わる可能性があります。算定の前に、最新の告示・通知と指定権者の案内を確かめてください。

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参考リンク(出典)

2026年10月6日時点で内容を確認しています。

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