送迎加算とは?対象となる福祉サービスと算定要件の概要

障害者施設や介護施設など、通所を必要とする福祉サービスでは、利用者が安心して施設に通えるよう送迎を取り入れている事業所も少なくありません。とはいえ、送迎は通常の支援に加えて行う業務であるため、人員や予算の面で負担になっているケースも見られます。

こうした背景から、利用者の通所を支援するために送迎を実施している事業所は、介護報酬や障害福祉サービス報酬の中で「送迎加算」を算定できる仕組みがあります。送迎にかかる負担を適切に評価し、継続してサービスを提供できるようにするための制度です。

ただし、通常業務に加えて送迎まで担うと、従業員の負担増加や不注意による事故のリスクが高まる可能性もあります。利用者の安全を守るためには、外部委託の活用なども選択肢に入れておくことが望ましいでしょう。本記事では、送迎加算の対象となるサービスや要件、運用のポイントについて整理します。


目次

送迎加算とは

送迎加算とは、通所系の福祉・介護サービスにおいて、利用者の居宅や学校などから事業所まで送迎を行った場合に報酬単位が加算される制度です。介護報酬と同様に1単位=1円で計算され、施設の種類や加算区分によって片道ごとの単位数が定められています。往復送迎を行った場合には、1日あたり2回分の加算が算定できます。

送迎対象となる「居宅等」は、利用者の自宅に限らず、同意を得た集合場所や最寄り駅なども含まれます。また、ショートステイなどで宿泊先がある場合には、その場所からの送迎も加算の対象となります。


送迎加算の対象サービス

送迎加算を算定できるのは、送迎業務を伴う一部の福祉サービスに限られています。主な対象は以下の通りです。

成人向けの日中活動サービス

  • 就労継続支援A型

  • 就労継続支援B型

  • 生活介護

短期入所サービス

  • 短期入所生活介護

  • 短期入所療養介護

  • 介護予防短期入所生活介護

  • 介護予防短期入所療養介護

児童向けサービス

  • 放課後等デイサービス

  • 児童発達支援


送迎加算の算定要件

算定要件や単位数は、サービスの種類ごとに異なります。

成人対象(日中活動系サービス)

  • 送迎加算Ⅰ:1回の送迎で平均10人以上かつ週3回以上 → 片道21単位

  • 送迎加算Ⅱ:上記条件のいずれかを満たす → 片道10単位

利用者20人未満の事業所は、定員の50%以上が利用していれば条件を満たしたとみなされます。生活介護の場合、利用者に区分5・6の方が6割を超えると、さらに28単位が上乗せされます。

  • 短期入所:必要性が認められる利用者に対して、事業所職員が自宅等との間で送迎する場合 → 片道184単位

児童向けサービス(放課後等デイサービス・児童発達支援)

  • 学校から施設まで、または居宅等と施設間の送迎で条件を満たした場合に加算

  • 送迎加算Ⅰ:障害児が対象 → 片道54単位

  • 追加要件:喀痰吸引等が必要で看護職員が送迎 → 片道37単位加算

  • 送迎加算Ⅱ:重症心身障害児で支援員を追加配置 → 片道37単位


よくある疑問点

  • 往復の場合:片道×2回分で算定

  • 徒歩送迎:原則対象外(自治体判断あり)

  • 利用者への実費請求:自治体ごとに可否が異なる

  • 届出:算定には事前の届出が必要

  • 外部委託:可能な場合もあるが、自治体規定による

  • 送迎範囲:基本は居宅等~事業所間(集合場所は条件付きで可)

  • 記録:送迎記録簿の作成が必要


送迎業務に求められる準備と配慮

送迎を行うにあたっては、運転手の採用や教育、車両の整備、感染症対策、突発的な欠勤時の対応、事故発生時のマニュアルなど、多くの準備が欠かせません。さらに、医療的ケアや介助が必要な利用者を送迎する場合は、乗降の際の安全確保にも特に注意が必要です。


外部委託という選択肢

送迎を自事業所だけで担うのは負担が大きく、リスク管理も複雑です。そのため、専門の運行管理会社に委託する方法も有効です。外部委託を利用すれば、ドライバーの採用・教育、車両整備、急な欠勤時の対応、事故時の処理などを任せられるため、事業所スタッフは本来の支援業務に集中できます。特に医療・介護施設向けの送迎に特化した業者であれば、介助研修を受けたドライバーによる安全な送迎が可能です。


まとめ

送迎加算は、通所サービスにおける送迎の負担を評価し、事業所の運営を支えるための制度です。算定対象となるサービスや要件は細かく定められているため、制度の仕組みを理解した上で活用することが重要です。

自事業所で送迎加算が算定できるかどうかを確認するとともに、スタッフの負担軽減や利用者の安全確保のために外部委託の可能性も検討してみると良いでしょう。

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